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大統領の執事の涙のkoyaのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
4.5
7人のアメリカ大統領に仕えた黒人執事の30年を描いて、アメリカの戦後史を2時間ちょっとで駆け抜けるという、大変、見ごたえのある映画でした。

これは実話で、フォレスト・ウィテカー(「ラスト・キング・オブ・スコットランド」や「SW ローグワン」に出ていたのね)演じるセシルという、最初は南部の綿花農園の奴隷が、屋敷のハウスボーイとなり、農園を逃げ出してホテルの執事となり、その腕を買われてホワイトハウスの執事を30年間勤める。

執事というのは、空気のようでなければならず、ホワイトハウスで見聞きした事は当然、家族であってもしゃべってはならない。
最初に、白人向けの顔と自分の顔、2つ持て、と言われるように、とても大変な仕事であり、7人の大統領に信頼されるけれど、家族となると長男は黒人解放運動に身を投じ、次男はベトナム戦争に行くことになり、そして、奥さんがねぇ、ただ黙って夫に仕えましたではなく、それはそれでドラマがある、という。

ニクソン大統領をジョン・キューザックが演じているけれど、若い副大統領の時からの根回しの巧さ、大統領になってから、(映画では描かれないけれど)ウォーターゲート事件で失脚するまで、他、色々な人が大統領を演じています。

ものすごくすっとばす所はカットしているので、アメリカ人でないとわからない部分、とても多いと思う。私も、知っている大統領だったらわかるけれど、1950年代とかは知らないし、わかるのはニクソン大統領くらいからだな。

娯楽映画ではないけれど、ずっと緊張感の続く良い映画だと思いますよ。
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