もるがな

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のもるがなのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

前三部作の全世界待望の続編ではあるが、その出だしが絶望的なのにまず驚く。英雄譚かつ新たな歴史の始まりであった前作と違い、本作は失われた英雄の物語であり、ほぼ成り行きで巻き込まれたスカベンジャー(クズ鉄拾い)のレイと、元ストームトルーパーのフィンの2人を主人公に、ジェダイ不在のまま物語は進む。

PCや性差別への配慮を感じるこの2人のキャラクターは、新たな時代の主人公なのだろう。レイは単なる守られるお姫様ポジションのキャラクターではなく、部族の女首領のようなタフさと苦難の時代を生き抜く逞しさを備えている。またモブ兵士から一気に主役級のキャラに躍り出たフィンも面白く、選ばれた人間ではなく、自分で運命を選んだキャラクターなのが非常に良い。またそんな彼と友情を育むポー・ダメロンは身に纏う雰囲気が往年の俳優然としていて、特にパイロットとして飛ぶシーンは昔のスターウォーズのワンシーンのようであった。

カイロ・レンは最初から一定の弱さを醸し出しており、あまり強くない味方側とのパワーバランスを考えての弱さだとも感じたが、成長する悪役と考えれば今後が楽しみである。あと十字架状のライトセーバーは最初はダサいと思ったが、彼の背負う咎の十字架であるのと、近接戦での鍔迫り合いであの鍔を有効活用していたので印象は良くなりました。光剣の刀身が洗練されたスマートな光ではなく、微妙にジャギーになっているのが未熟さを表してていいと思う。

ハン・ソロの登場は予告の段階で分かってはいたことだが、その前のミレニアムファルコンが出た瞬間の、視聴者側のテンションの上がりようは凄まじく、段階を踏む丁寧な演出はエイブラムスらしいと思った。その後、カイロ・レンの凶刃に伏すことになるものの、オイディプス的な父殺しは神話としては必要なパーツであり、ゲストとして十二分過ぎる散り際である。賛否両論あるだろうが、ハン・ソロは大人しく夫婦で添い遂げるタイプではないし、ああいう末路もハン・ソロらしいと思う。

最後の最後で現れたルーク・スカイウォーカーは思った以上にルークに寄せてきた印象。最後にマーク・ハミルを見たのが「キングスマン」だったので、あれと比べると貫禄十分の面構えである。レイとの微妙な距離感も良い。

総括すると、エピソード1、2、3よりスターウォーズらしい作品であり、冒険活劇やスペースオペラとしての要素を非常に大切にしていると感じた。正直全然物足りなく、評価で言えば3・8だが、全世界同時公開という貴重な映画体験を味わったことと、次への大いなる期待を込めて星5とさせて頂く。