牛猫

ダラス・バイヤーズクラブの牛猫のレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
3.4
HIV感染により余命30日と宣告された男が、国外に流通するより効果の高い未承認治療薬を売り捌く会社を立ち上げる話。

同性愛者を忌み嫌っていた主人公が、HIVに感染したことで差別される側にまわってしまうという展開が皮肉。
そこで終わってしまえば単なる悲劇の物語だけど、類稀なる発想と行動力を発揮して成り上がっていく様が見事で痛快。まさに起死回生。
行き当たりばったりなわけではなくて、ちゃんと自分で勉強しているのが伝わる場面もあって説得力があった。いつのまにか健康オタクみたいになってたのには笑った。金儲けだけでなく同じ境遇の人を救ってあげたいという気持ちがあったからこそ、あれだけの顧客が集まったんだと思った。

今でこそエイズは適切な治療を受ければ死ぬことのない病気として知られてきたけれど、その裏にはこういった人たちがいたことを知っておかなければいけないと思った。やり方には賛否両論あるだろうけど。

あと、痛々しい程に痩せ細ったマシューマコノヒーとジャレッドレトーの役者魂はすごいを通り越して心配になる。クリスチャンベールとかもそうだけど、こういった役作りが評価されてしまうのはいかがなものだろうか。確実に寿命を縮めていると思う。
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