タイで相次いで発生する、猟奇殺人事件。
手口こそバラバラなものの、何故か男だけを狙い、最終的には性器を切り取り、死体を赤いスーツケースに詰め込む謎のシリアルキラー。
事件を追うチェン捜査官だったが一向に手がかりはつかめない。
そんな中、「赤いスーツケース」の悪夢に怯え、かつて父親を殺し失踪した幼馴染と手口が瓜二つな事を主張するタイという殺人罪で服役中の男がいる事を知るチェン捜査官。
実は元刑事だったタイ。更にチェンは悪徳刑事で、タイの恋人を人質に取り、タイに獄中でヒットマンをやらせていたのだ。
チェンは前科を帳消しにし警察に復帰させる代わりに、15日以内に殺人鬼を捕まえることを条件にタイを特例で釈放、犯人探しを命じるのだった。
事件の真意を知るために、かつての故郷に戻ってきたタイ。
実はその事件には、幼少期の悲しき過去が関係していた…。
堕ちた刑事がかつての過去を元に殺人鬼を追う、タイ産のサスペンス・ドラマ。
ジャケの感じからてっきりスプラッター多めなスラッシャー・ホラーかと思ってましたが、実際には主人公達のシリアスな過去を軸に描いた青春要素の強いサスペンス・ドラマでした。
一応グロシーンの出来はしっかりしてるけど基本的にはドラマ重視のしっかりした内容。
ゴアシーンではいい具合に血が飛び散るし、バラバラの腐乱死体を映すシーンや顔面を打ち抜かれて顔がグッチョに歪むシーンなんかもあるけどね。
ただ、ドラマ重視な作風ではあるものの全体的に話がつかみにくいのは少々難点。
そこまで難しい話ではないのだけど、少々構成が凝りまくっていてややこしいというか。
ただ、話が進んでゆくにつれて話が繋がっていき全容が明らかになってゆくし、主人公の幼少期が描かれる回想シーンも青春ドラマとしてしっかり作り込まれていて面白かった。
その一方で、少年2人の友情に留まらない容赦のない描写も入ってくる。
詳しく書きませんが、前述のグロシーンより、ガッツリ移した虐待までシーンの方が精神的にキツかったです…。
そして後半、まさかまさかのどんでん返しにビックリ！！！
更に、そこからの切ない結末に驚かされました。
詳しくは実際に確かみて欲しいので詳しくは書きませんが、
(まあ、この拙い文章を見て本作を見ようと思い立つ人がどれだけいるかは分かりませんがｗ）
ある意味このネタはタイの映画らしいと言えばらしいのかもしれませんね。
実際、タイ映画にはその手のコメディ映画とかあるし…。
話的には分かりづらい所もあるし、真っ当なサスペンスホラーを期待するとガッカリするかもしれないが、しっかりと青春やサスペンスを急行を付けながら展開し、一歩間違えばギャグになりそうな展開でありながらも、シリアスなドラマとしてしっかりと真面目に描いた、サスペンス・ドラマの隠れた快作です。
マイナー映画ではあるが、余計な予備知識を付ける前に、観てほしい逸品。
オススメ！！！
