Ren

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのRenのレビュー・感想・評価

2.5
先日、初観賞。観よう観ようと思っていながら手を出していなかった本作の感想を今更ながら書く。警告後ネタバレ有り。

“意図的にタイムトラベルを操れる“ 系の映画。観賞中に想起したのは『もしも昨日が選べたら』。
タイムスリップの原因を “遺伝だから“ の一言で済ませるシンプルさはグッド!某エントロピー逆行おじさんに、このくらいシンプルでいいんだよと教えてあげたいくらい。結婚式で何度やり直してもまともなスピーチが出てこない、舞台で台詞を飛ばした俳優をタイムスリップで救うなど、設定を使ったギャグは面白かった。なので、そっちをもっと見たかったな。



《⚠️以下、ネタバレ有り⚠️》










これ、ルール初見で分かるものなの...?その辺りが正直クリアできず。妹を連れて初日まで一気にタイムスリップする場面で「はっ、今のメアリーとの生活を捨ててまで妹を救うなんて...自己犠牲を払ってまでの家族愛...😭」と涙しそうになったところ、一瞬で元の現代に戻って「?」だった。未来には行けないけど現代には戻れる、ということ?その辺りがちょっと釈然とせず。

産まれてくる子どもが変わっちゃう、というバタフライエフェクトも起こるけど、それも上手いこと解決されていた。「タイムスリップ能力めちゃ便利じゃん、どんどん使っちゃえばいいじゃん!」と思ってしまったのは私だけでしょうか。もう同じ日々は二度とやり直せない刹那さをもっと強調しないと、“一日一日を大切に“ というメッセージに説得力を生むのは中々厳しいんじゃないのかな....。
でもティムが、大切に生きようと能力を放棄した理由も分かる。父子の愛、父親の死。だとしたらもっとタイムスリップを強く絡めてほしかったというのが本音。

あと教訓めいた台詞として、「同じ日を二回過ごしなさい」といった旨の発言があるのですが、なるほど!と膝を打ちそうになったところで、「あ、でも私過去に戻れないしこのアドバイス関係無いわ」となってしまった無念さ。
イヤな奴は皆無だし、ラブコメ要素はおもしろいし、家族愛・親子愛も強く感じられたし、もちろん楽しめた。ただそれ以上に設定の粗が気になってしまい...。科学的に間違っているとかそんなことはどうだっていいのですが、今作は色々と都合の良いルールをコテコテと付け加えたうえにあまり守れていないと感じてしまったのが残念でした。

タイムトラベルと家族愛を絡めた作品なら『オーロラの彼方へ』のほうがスパッと分かりやすくて面白かったよね、毎日を生きることの意味を問うてくるメッセージ性は『ソウルフル・ワールド』のほうが強かったよね、というのが正直なところ。ちょっと空けて再度観てみます!
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