びっくりするほど地味な作品なのだけれども、この作品に共感できる人はきっと心の優しい人だと思う。
主人公は中年の男。裸の若い娘と一緒にいるシーンから始まり一体どんな展開になるのだろぅという期待を置き去りに淡々とストリートがオムニバスのよぅに連なっていき途中途中ほっこりする気持ちを残してくれる。
このお金もない中年の男は輸入ビジネス(しかもなぜかガラスというw)で成功を夢見る傍ら、ジャズドラマーの一面があったり、映画を撮ったりしている。お金はない、着るものも昔とずっと変わらない、払うべきお金も払えず自分の生活で手一杯のはずなのに、目の前に現れた困っている人たちを見過ごせない。
思い切って弟に借りればいいのに、壊れたタイプライターを直してあげたんだからお金だって受け取ればいいのに、と突っ込みたくなるほどとてもやさしい。
手は器用、ただし人生は不器用。そんな印象の主人公だけれども、彼によって縮まった人間の距離にあたたかさを感じるのです。
途中"ミホ役"で出演されていた日本人は村上龍原作の『トパーズ』に出演されていた二階堂美穂さん。この作品の監督であるハル・ハートリーの奥様です。
NYという舞台をとてもステキに使っていてみなさんがおっしゃる通り行きたくなります。