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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のQvQのレビュー・感想・評価

3.8
幸せな父と幸せな息子。メチャクチャに見えて、話が進んでいくうちに本当はとてもおもいやりにあふれた関係だということがだんだんわかってきます。

解せないところがないわけでもない。父親がどこまで正気なのかも、わかるようなわかんないような。お母さんもいい人にはあんまり描かれてないんだけど、でも実は家族にとってなくてはならない人なんだよなって思う場面もチラホラあったりします。息子たちがかなり出来た子で、え〜〜、そこまでしちゃう?って思ったりするんだけど、結局はそこまで好かれてる父親は実はとてもいい人なんじゃないかと思うようになっていって…。

で結果、要するにこの家族はすごく幸せな、お互いを思いやってる人たちなんだよなって思いにだんだんならされていくわけです。どんな親でも親は親なんだよね。

親孝行したいときには親は無し。だいぶ前に父を、少し前に母を見送ってしまった私の胸にその言葉は時折チクッと刺さったりします。孝行したい気持ちがあっても生きてる時ってこっちの生活も一杯一杯だったりして、結局は後悔が残ることになるのが常だろうとは思うんだけど、この作品見ながら、本当に親の人生や晩年の想いに寄り添えた息子がただただ羨ましくなりました。
親との最後の時を後悔しないで過ごしたいと思う人には必見の映画かと思いました。なかなかこうはいかないんだけれどもね。

それから、こんな幸せな最期を迎えられる親にはなれそうにないなとも思ったから、まあその覚悟もちょっと出来たかな。いやはや、思いがけず勉強になっちゃったなあ。
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