たけちゃん

GODZILLA ゴジラのたけちゃんのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
4.1
怪獣王は救世主か?


ギャレス・エドワーズ監督 2014年製作
主演アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
今日は8月6日です。この日に何を観るか!
今日は本当に迷ったんですよね……。

「今日は何の日」的に言うと、まず、今日は「8(ハ)6(ム)の日」です。ハムかぁ……。僕は道産子なので、日ハムは応援してますが、映画で観るものはない。だからと言って、「ハム太郎」の映画はレビューできないしなぁ(笑)

他には、「ハローの日」。
おっ、いい日ですね!
ハローと言って思い出したのは「ハロ」。
そうだなぁ、なら、ガンダムの劇場版もいいなぁと思いましたよ( ˘ ˘ )ウンウン



でもね、やっぱり今日は8月6日なんです。
日本人として、忘れてはいけない日です。
「広島原爆の日」
1945年8月6日午前8時15分。
広島に世界で初めて原子爆弾が投下されました。

なので、今日は何かそれに因む映画を観なきゃ。
でも、僕は娯楽のたけちゃんなので、間接的にね!


そこで「GODZILLA」です(笑)ヤッパリカ
1番は「ゴジラ(初ゴジ)」なんですが、レビュー済なので、考えた挙句、こちらを選びました。ギャレス・エドワーズ監督作の「GODZILLA(ギャレゴジ)」。

原子爆弾を作り、使ったアメリカが描いたゴジラです。それを読み解くのも意味あることでしょ?



公開当時はめちゃくちゃ期待してたので、ちょっとガッカリしたんです……。やっぱりゴジラじゃない!ってね。
でも、改めて観るとそんな悪くないですよね。
なので、そのへんも含めてレビューします。

今回はネタバレ解説になるので、ヨロシコね〜(*^◯^*)♪
これ読むと、もっと映画がよく分かるよ( •̀ω•́ )و✧
まぁ、僕の勝手な解釈ですが(;´∀`)







冒頭、過去の核実験の様子が描かれ
死の灰の中から浮かび上がってくる文字
「GODZILLA」
ゴジラが放射能から生まれた存在であることを暗示していますよね。


そして、登場する我らがKEN WATANABE。
この登場、悪くないですよね。
役名は芹沢猪四郎。名前が素晴らしい。
初ゴジを倒したオキシジェン・デストロイヤーを発明した博士の名前が芹沢大助。平田昭彦さんが演じましたね。
そして、その初ゴジの監督が本多猪四郎さん。
その2人から取った名前です。
ここからもギャレスのゴジラ愛が伝わります。

そして、その芹沢博士が持つお父さんの形見の時計は、8時15分を指して止まっていました。広島の原爆で亡くなった設定。
なので、芹沢博士はどこまでも核兵器の使用に異議を申し立てるんです。被爆国国民である日本人としての良心。映画では唯一の存在でしたよ。


芹沢博士のサポートをするヴィヴィアン・グレアム博士役はサリー・ホーキンス。古生物学者役でした。
サリーって、この後、パディントンと出会ったり半魚人と恋したりと、人間には興味ないのかしらん(笑)


主人公のフォード・ブロディ大尉役はアーロン・テイラー=ジョンソン。「キック・アス」役の彼ですが、どうりで死なないわけだ。キック・アスだもん(笑)
さらに「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」でクイックシルバーを演じます。よく考えると、奥さん役のエリザベス・オルセンと兄妹役じゃないですか!

フォードの奥さんって、エリザベス・オルセンだったんですね~。綺麗な人だなぁとは思ってましたが、当時は全く知らなかった( ¯−¯ )フッ
ただ、吹き替えが波瑠さんなんですよ。
そこがちょっとね~(>_<)
渡辺謙の台詞「ゴジラ」を聞く意味でも、今作は字幕推奨ですね!

他、フォードのお母さん役はジュリエット・ビノシュ。
短い登場でしたが、さすがの存在感。
彼女が亡くなるシーンは「ローグ・ワン」のラストシーンにも通ずるエモさ。この演出が、まさにギャレス節だなぁと感じていました( ˘ ˘ )ウンウン







1999年にフィリピンで恐竜の卵を発見
そばには巨大な生物の痕跡が……
そして、日本の雀路羅(じゃんじら)市へ……って、それどこ?じゃんじら市(笑)。すぐそばに富士山あるし、なんちゃって日本家屋に家族住んでるし。謙さんいても、やっぱりこうなるんだなぁ( ¯−¯ )フッ


この巨大生物のことを今作ではMUTOと呼びます。Massive Unidentified Terrestrial Organism(未確認巨大陸生生命体)の略です。
ギャオスにも似てたけど、雌雄で出るのは珍しい。ただ、生物ですから、本能として繁殖を目指すのは当然よね。卵を産む姿はエイリアン・クイーンにも似てた( ¯−¯ )フッ
でも、「髑髏島の巨神」では、見たことない生物がみんなムートーって呼ばれてましたよね。この単体だけではないようなので、ちゃんと個体ごとの名前が欲しいなぁ。


こうした未確認生命体を追う組織がMONARCH(モナーク)。「髑髏島の巨神」のランダ博士やブルックスもモナークでした。どの程度の組織なのかは、まだよく分かりません。「髑髏島の巨神」がベトナム戦争当時であったことを考えると、芹沢博士らは、その後輩ということでしょうね。
この映画では1954年のビキニ環礁での実験も、実はムートーを処分するための攻撃だったとされています。
この正当化はいかん<(`^´)>

ちなみに1954年(昭和29年)は初代「ゴジラ」が公開された年ですね。


次にムートーとゴジラが邂逅する場所がハワイのホノルル。
日米が開戦したハワイって言うのも意味深よね。
日本生まれのゴジラがハワイでムートーと初戦を飾るって、まるで太平洋戦争。ギャレスはどこまで意識してたのかなぁ。

そして、いよいよ舞台はアメリカ本土。
ネバダ州、ユッカマウンテンの放射性廃棄物処理場からラスベガスへ。そして、サンフランシスコへ。
アメリカ軍は怪獣3体を駆逐するために戦略核兵器の使用を決定。
ここがいかにもアメリカでしょ?
何でも核で解決しようとする。
軍の中での核兵器最強神話。
「シン・ゴジラ」でのアメリカの対処もそうだったし。

ただ、今作がいいのはその後です。
自分たちが撒いた種を自分たちで対処しなければならなくなる。核による攻撃の後始末を負うわけです。そんなものに頼るとどうなるかが問われている。やっぱりゴジラ映画にはその視点がマストなんです。
改めて観て、見直したのはそこでした!



ただね~、納得いかないのは、ゴジラの立ち位置です。
なんか、人間と心を通わせてますよね。
言っちゃうと、人間を助けてますよね。
リードで書きましたが「怪獣王は救世主か?」って、でも、それはガメラの姿でしょ?「シン・ゴジラ」が満点で、今作が満点でないのはそこなんです!


恐らくは「モンスターバース」の中で、キングギドラと戦うのなら、ゴジラは人間サイドの存在になる。でも、そこには戻って欲しくないんだよなぁ。そうなると、キング・コングはどの立場で戦うんだろう。

はぁ、心配は尽きませんが、座して待ちましょう!