しおえもんGoGo

ジュラシック・ワールドのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭らへんに出てきた「20年前と違って恐竜を出すだけではもう誰も喜ばない」みたいなセリフがそのまんまこの映画を表すようだ。

ジュラシックパーク世代にとってはあの映画を超える事はもはや不可能だが、その後のCGに慣れた世代にとってはジュラシックパークではもう誰も喜ばないだろう。

確かにこれはジュラシックパークではなく、新しい時代の新しいジュラシックシリーズとなっていて、今の時代(と言ってももう7年前)の恐竜映画だ。
絶滅した恐竜を生み出す事の是非を問うたパークからさらに進んで、新しい生き物をデザインすることの恐ろしさ、それを兵器としてコントロールできると思う傲慢さを描き、人間の愚かさというテーマもしっかりしている。

ただやはり大きな問題はクレアだろう。ポリコレ的にクレアを運営責任者にしたのかもしれないが、これは正直失敗じゃないかなと思う。
甥っ子たちに対する無責任さはまだこんな事態を想定してないから仕方無いが、助言を聞き入れない頑固さや、何よりも2万人のゲストの命がかかった緊急事態を放り出して甥っ子探しに飛び出す職務放棄は頂けない。
責任者ではなく、もっと違う役職に就けておけば良かったのに。この段階でクレアが感情的でヒステリックな女に見えてイライラしてしまう。
自分の私用を丸投げした秘書が死んだことに対するコメントも一つも無い。
さらに、泥の中を駆けずり回り、恐竜から必死で逃げないといけないのにずっとピンヒールなのも気になる。フィクションだから気にしなくていいと言えばいいのだが、ここは結構大事なリアリティだと思う。

また恐竜の兵器利用という新しい企みが出てきたけど、せめてサーカスのライオンぐらいの芸でも仕込めてるとか、恐竜を電気的にコントロールできる装置が開発されてるぐらいでないと、誰がどう見てもまだ無理やん。なぜあの男は自信満々で乗り込んできたのか。

まあそんなツッコミどころはありつつも、近未来のパークの様子もありそうなレベルで良かったし、T-Rexは看板恐竜として美味しい所を持って行ってくれたし、ブルーは可愛いし、モササウルスはデカくてめっちゃいいし、面白かった。

後、やっぱりパニック映画では太い人は死ぬフラグは今の時代でも変わらないんだな。さすが自己管理に厳しいアメリカだ。
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