Hiiiraiii

ノア 約束の舟のHiiiraiiiのレビュー・感想・評価

ノア 約束の舟(2014年製作の映画)
2.7
2014.6.16 TOHOCINEMAS六本木

旧約聖書「創世記」、「ノアの箱舟」の映画化。
キリスト教圏では賛否両論が起こり上映禁止の騒ぎにまで起こっている本作を無宗教でありただの映画好きの私が見た感想は単純で純粋な【人間の狂気】の物語として見た。

【人間の狂気】という部分は監督のダーレン・アロノフスキーの十八番であり神の啓示を受け神を信じる者、それに反発する者、越えようとする者のそれぞれの狂気が描かれる。人間が持つ複雑な感情がぶつかり合う事で「人間は生きるに値するべきか否か」という物語のテーマが浮き上がってくるのだ。

トランスフォーマーに出てくる様なクリーチャーが出てくる前半部スペクタクルな映像美に惹かれるが中盤の大洪水後の密室の箱舟内で行なわれる混沌として葛藤を繰り返す人物の描写に神とはいったい何なのか?人間とは一体なんだろう?といちいち考えてしまった。

ただし神の啓示を受けたノアが過剰に神経質になりゆく姿はどうなんだろうと。もっと普遍的で一般的感覚を持ち合わせていた人物設定の方がこの話の場合ストレートに観客に問いかけるものとなりえたのではないかなとも思いました。

表層部分はファンタジー要素もあるが中に少しずつ入れば入る程、混沌とした【人間の狂気】をまざまざと見せつけられるドラマです。無宗教者であればあるほどきっと物語の核の部分はしっかりと判断出来るのではないでしょうか。
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