あなぐらむ

007 スペクターのあなぐらむのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
2.9
ムービープラスでかかった時に鑑賞。

つまらん。長い。くそ長い。世界の危機感が薄い。それもこれも、ガキの頃の兄弟喧嘩に落とし込んでしまうプロットに問題がある。
前作でも思ったが恐らくサム・メンデスは画としてのアクション(アクション映画)を好いていないと思う。メキシコの「死者の日」が出てくる冒頭だけでいいぐらいだ。
派手な爆発にも臨場感が無く、007映画というジャンル作品自体が構造矛盾になっている。

クレイグ・ボンドの(この時点での)総決算をやろう、ということだったんだと思うが、プロットが有り体な二時間ドラマみたいなチンケなもので、おい、マドレーヌ(レア・セドゥ)とお前くっついていいのか?ヴェスパーはどうなんだ? みたいな。
お話としては、新しいM(レイフ・ファインズ)ともっとぶつかっておかないといけないし、兄との確執がボンドの方の葛藤としては全然無いので「は?」みたいになる。
シン・仮面ライダーなんかでもでてくる事だが、世界征服を企む悪の結社は実際にあるんだから(ロシアのせいで作り易くなったよね)、そこを作り手が恥ずかしがってはなんのアクション映画かと。
やっぱりというか、バーバラはマネーペニーにこそ焦点を当てていて、ボンドはずっと聞かん坊のワルガキのままで、これって母Mことジュディ・デンチ退場後、父Mも彼を大人にできなかったって事じゃん。駄目じゃんね。俺はテレビだからいいけど、劇場で長い時間拘束して、このカタルシスの無さは結構問題だろう。そんでまだもう一作作るってどういうことだ。