優しいアロエ

マッドマックス 怒りのデス・ロードの優しいアロエのレビュー・感想・評価

4.8
【過去鑑賞作品 18】

“What a lovely day!!”

 2度目の鑑賞ながらまたしてものめり込んでしまった。最高。荒れ果てた地球。息もつかせぬ怒涛のカーチェイス。

 「頭カラッポで」などと形容されており、まさにその通りだと思うが、加えて、重く辛い現実が根底にあることが格段に今作の魅力を高めている。この映画に登場する全ての人間が生にしがみつき、あるいは最高の最期を迎えようと必死になっている。

 かくして人が死にまくる本作だが、マックス、フュリオサに負けぬキーパーソン・ニュークスの存在により、ウォーボーイズたちもまた血の通った人間であり、雑兵のそれぞれにドラマがあるのだと思わされる。ゆえに彼らの死の一つひとつが決して見逃せないものにまで引き上がっている。
 少し違うかもしれないが、『スターウォーズ/フォースの覚醒』でフィンの存在によってストームトルーパーも命ある人間なのだと再認識させられた経験を思い出す。

 オレンジや青を基調とした色づかいやコマ落としによるアグレッシブな映像、場面とリンクした音楽など、技術賞でオスカーを総ナメにしたのも頷ける。カーチェイス以外のシーンとの緩急も絶妙。

 また早く頭カラッポにして彼らに出会いたい。
優しいアロエ

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