円柱野郎

マンデラ 自由への長い道の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

マンデラ 自由への長い道(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

南アフリカで反アパルトヘイトの闘士であり、同国で大統領になったネルソン・マンデラの自伝を基にした伝記映画。

武力闘争に至った部分は白人の不当さを強調している部分もあるか。
自伝ともなれば良いように見せている部分もあるだろうし、今では神格化された部分もあるだろうけど、それでも彼の成し遂げたことを考えれば、やはり偉大な人物だと思う。
白人の力による支配構造というその世界でのルールをひっくり返したのだから。

もちろん釈放されて「平和」という綺麗事を語るだけで簡単に済むわけはないし、そういう部分も描かれる。
闘争という長い道のりの最終段階で、黒人が力を持つことに恐怖する白人と、白人に復讐心を持つ黒人を如何に和解させるか。
最も困難だっただろうその局面でのテレビ演説は、そこまでの長い苦難のクライマックスとしては見事だと思った。
「私は赦した」、この言葉の重み。衆愚に陥らぬ、まさに指導者としての姿。

個人的にはデクラーク大統領側の想いや、政治的な駆け引きの部分をもう少し観たいと思うところもあったけど、これはマンデラの伝記映画だし、これで良いかな。
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