KouheiNakamura

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

4.5
今、最も世界中で賛否両論を巻き起こしている二大ヒーロー激突映画。どちらかというと否定的な感想の方が目立つ。
が、個人的には歴代のDCコミックスの映画化作品の中でもかなり好きな作品だった。

思うに今回の映画が批判されているのは、普通のヒーロー映画を期待した人が多かったからなのだろう。例えば「アベンジャーズ」のような、明快でファンサービスもしっかりある映画を。
しかし、今回の「バットマンvsスーパーマン」はそんな明快なヒーロー映画とは全く違うところを目指している。複雑で、価値観を一つに定義するには難しい時代に合った作品を作る。そのための有名ヒーローの激突なのだと。明快なヒーローシリーズとしてのマーベル・シネマティック・ユニバース作品とは対照的な、重く複雑で挑戦的な野心作を作ろうとしているDCコミックスの作品たち。今後は対照的な両シリーズの映画が観られるのだと思うと胸が踊る。


もちろん、この映画単体で観るとアラは多い。展開が繋がっていなかったり、キャラクターの行動原理が描ききれてない部分も散見される。しかし、しかしだ。後半、文字通り「バットマンvsスーパーマン」が始まってからの圧倒的で詩的な映像表現に僕は痺れた。さらにそこからの衝撃のラスト…。いやはや、見事にやられてしまったのである。「俺たちはこれを作りたいんだ!」という作り手の気概をビシビシ感じる、怪作だ。

また、個人的には今回のベン・アフレック演じるバットマンは本当に最高。狡猾で人を信じず、あらゆる手段で信念を貫く闇の騎士。これぞバットマンだ!
ジェシー・アイゼンバーグ演じるレックス・ルーサーの怪演やワンダーウーマンの格好良さ等まだまだ語りつくせない一作。
今春、新たな伝説の始まりを見届けてみませんか?オススメです。
KouheiNakamura

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