ばーとん

卍 まんじのばーとんのレビュー・感想・評価

卍 まんじ(1964年製作の映画)
4.7
若尾文子が振り向く映画。振り向くたびにドラマが加速する。若尾の初登場で、化粧室で鏡に向かってメイクしているのが、ゆっくりと振り向いて岸田今日子に微笑みかけるシーンを見て、こいつは傑作に違いないと確信した。圧巻の映像術と、出演陣の鬼気迫る演技に90分間クラクラに酔える。情欲と殺意がごった煮になった、地獄のような有り様で、登場人物全員の気が狂ってるようだが、実際こういうこと現実でも起こるから恐ろしい。人は人を洗脳して支配しようとするからね。だから若尾が「死の!」と叫んで岸田と船越が揃ってうなづくシーンがこの映画のクライマックス。欲を言えばもう少しレズシーンが見たかった。
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