このアングラ臭と
倒錯した感触…
新進舞台劇団か
ATG作品か…(笑)
今やソフトバンク母さんに
落ち着いた彼女が
飛んでる女(死語)
だった時代の作品!
「卍 まんじ」
谷崎潤一郎の純文学にして…いやいやエロです…倒錯の世界を現代(83年)にして描いた作品です。
万引きを見られた主婦園子は、見た相手である光子のマンションへ行き口止めをしようとし、諍いになるが…どちらとも無く肉体関係を結んでしまう…。刑事である園子の旦那がそれに気づいた時…。
舞台が現代になっただけでなく、80年代らしいポップさかつアングラ的な舞台劇要素が加わった上に、ヌーヴェルヴァーグ臭のするATG的な要素がぶっ込まれた珍妙極まりない作品。
冒頭の二人の出会いからしてもう、置いてけぼりの極地であり、どのシーンも苦手な売れない劇団の創作劇の様に独りよがりで突っ走って行ってしまうので、どうにも…(笑)
だが…それにより目が離せない(笑)視覚的にも、聴覚的にも何を見せられているのか呆然としてしまうため、ある意味、今見ると凄みがあったりしてしまう…。エロさも途中でどっかに行っちゃいますからね…(笑)
まぁ…若い方にはソフトバンク母さんのイメージしかなくなってしまった樋口可南子が、昔は時代の旗手としてバンバン脱いでいて、トドメが初のへアヌード写真集であったと分からせてくれる作品。今で言えば吉高由里子や二階堂ふみって所ですね。北斎漫画のアレに比べれば大人しいもんです(^^)
実は一番壊れてそうな主婦に高瀬春奈さん。この方はお葬式と言う作品で凄まじいシーンがありますが、こちらの方が美しい。普通の主婦のエロさが…(笑)
更にこの二人に絡むのが原田芳雄で喋り方、仕草、本人そのままで演じてる。この方がいる故のアングラ臭でしょうか…。
谷崎潤一郎の作品って何度も映画化されてますが…そもそも面白いとは思えないし万人受けするものでもないでしょうから、オススメはしません。好事家の方向けでしょう…。