カテリーナ

白鯨との闘いのカテリーナのレビュー・感想・評価

白鯨との闘い(2015年製作の映画)
4.0
ロン・ハワード渾身の秀作

海洋モノだとすぐ頭に浮かぶのが
『パーフェクトストーム』
どうせその程度のクオリティでしょ
と舐めていたら度肝を抜かれた
正座して居住い正して鑑賞するべき作品だった
ロン・ハワード監督の作品の中で一番の出来ではないだろうか
何というリアリティ
人生の中で絶対に経験出来ない事を
映画を通じてなぞる事ができるのだ
中盤の窮地に追い込まれる展開から
映画の中にズブズブと埋もれてしまい 息もできないほどの緊張感に包まれた

誰でも一度は耳にしたことのある名著『白鯨』に隠された衝撃の事実があった
と謳われているこの作品の肝は
怪物のような白い鯨との闘いだけ
ではなかった
危険な領域へ踏み込む勇気だったのだ
(W座の薫堂さんの台詞の受け売りです)

俯瞰で見るエメラルドグリーンの海原に
浮かぶボートにゆっくりと線を引きながら近づいてくる
鯨 の大きさに息を飲む
なんて美しい画なんだろう

その美しい海の上は容赦ない太陽の光が降り注ぎまるで砂漠のように乾燥していた
と語るそのモノローグの恐ろしさ

事実であるが故に過酷な出来事は次から次へと起こる
これは余りにも酷い

生き延びる為にある決断を下す
クリス・ヘムズワースの顔
最初何を言ってるのかわからなかったが
「船乗りは貴重なものは無駄にしない」
その台詞の意味がわかった瞬間の
仲間たちの涙
その決意の裏の持つ強さ
これこそが大海原の上で生きる資格なんだ
と訴える
そして私は尊敬と同時に畏怖の念を抱くのだ

その勇気は私から余りにも遠すぎる
カテリーナ

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