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ジャッジ 裁かれる判事のHiiiraiiiのレビュー・感想・評価

ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)
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2015.1.25 新宿ピカデリー

ロバート・ダウニー・Jrが設立した映画製作会社「チーム・ダウニー・プロダクション」の第一作目は世間から信頼を集めた判事でありながら殺人事件の容疑者として逮捕された父親を絶縁状態の息子が弁護する法廷サスペンス。

淡々と進むこの物語はアメリカのある批評家に「これほど個性がないのは驚くべきことだ」と言われるほど地味な映画ではあるが地味ならではの良さもあったりする。撮影のヤヌス・カミンスキーが操る光と音楽のトーマス・ニューマンの琴線に触れる音の粒は本作でもさすがの仕事っぷりであり絶縁状態でありながら弁護する側される側の親子を名優ロバート・デュバルとロバート・ダウニー・Jrの二人のロバートの芝居も見応えがあるもの。サスペンス要素という部分に関しては際立った工夫も特になく謎が紐解かれていく様というよりは絶縁状態の親子の溝が徐々に埋まっていくという部分にこそ工夫がされている。映画終盤で積み重ねられるシークエンスはまるでお手本のような作りで、エンディング曲をウィリー・ネルソンがCOLDPLAYの「THE SCIENTIST」を歌い上げ自然な感動を体験出来る良作でありますよ。

親子の物語は万人に共通するテーマであり地味ながらもあざとさもなく淡々とした映画でありました。ロバート・ダウニー・Jrは本作でも「アイアンマン」シリーズのトニー・スターク同様、ちょっとしたクズ野郎でありこの手の芝居をさせたら右に出るものはいないのだなと再確認させてもらいました。ロバート・デュバルは本作で87回アカデミー賞の助演男優賞ノミネート!来週のアカデミー賞の動向が楽しみでありますな。
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