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6才のボクが、大人になるまで。のshinoのレビュー・感想・評価

3.6
"一瞬が私たちを逃さない"

ある男女の18年間を切り取った、あの「ビフォアシリーズ」の監督が、なんと今度は12年間、同じ主要キャストで…!6才の男の子が18才になるまでを撮り続けた奇跡みたいな映画です…!
主役の男の子、メイソンが幼少期から思春期を経て青年になるまで。家族や恋人との何気ない日常を、2時間40分ぶっつづけでドキュメンタリー風に見せてくれる訳なのです。

好きですよ、好きな作品です。しかしかなりの集中力と根気がいりました。睡眠ばっちりとった後の観賞がおすすめ。

気の長い監督さんなのかな。ご自身の娘さんも、主人公のお姉ちゃん役として12年間まっとうしています。が、途中ちょっと飽きたみたいで、監督ピンチ!な時期もあったとか。笑

誰か1人でも辞めるとか言い出したら完成しなかったかもしれない、本当に壮大なプロジェクト。
観入ってしまうと作中の家族が現実に存在していそうな錯覚も陥りますが、彼らはもちろん、それぞれ別の人生を送っているわけで…
1年おきの撮影で再会したときに、「久しぶりー!大きくなったね。この1年どうしてた?」って会話が交わされてたんだろうなって思うと、なんかぐっとくるものがあります。

メイソンは6才がかわいさのピーク、ちょっとぷくぷくしてから15才にセクシーさのピーク、あとは緩やかにおじさん化…成長のスピードが日本人とは違いますね。笑
メイソンの細やかな感情の動きも見逃せないですが、男性関係に苦労しながらも子どもを育て上げた母、そして歳の取り方が渋カッコ良すぎる父イーサン・ホークにも大注目です。ずるい。メイソンJr役を完全に食っているではないか。

家庭がある人、子どもが手を離れた人には胸にくるものがきっとあるはず…
私はまだまだ未熟なので、ロマンチックなビフォアシリーズのほうが好みではありました。
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