色が灯る。その色は暖かい。
最初はモノクロなので、帽子の色は
わからない。そして色が灯る。
そうかそうか、その色だったね、と
ハッとする。呼応するように現れた夫人の
コートもパディントンと同じ色をしている。
と言うか1作、2作通して、夫人は常に、
パディントンの帽子と同じ色の服を
身につけている。まるで彼の守護天使の
ように。そして長男のジョナサンも、
ワンポイントでも同じ色を身につけている。
ジョナサンも頼もしい守護天使なのだなと
気付く。
家の中には見上げる木があった。
吹き抜けのような階段の壁に
描かれた木のイラストは満開だった。
その花弁には、また暖かな色が灯っていた。
あまり気にしていなかった会話や
やりとりが、後半、伏線回収されてゆく。
それがなんとも気持ちいい。
クライマックス。
それまでパディントンに
冷たかったお父さんの服の色も、
パディントンの色と同じに見える。
なんだ、彼もパディントンの
守護天使だったじゃないか、と
心が愉快になってくる。
素敵な映画だった。
もっと子供っぽい作品だと思っていた。
パディントン同様、紳士的で
ウィットに富んだ良作だった。
横で息子は、すっかり
パディントン好きになっていた。
