エソラゴト

複製された男のエソラゴトのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
-
この手の映画の宣伝文句の煽り方にはいつも疑問を感じる。事前情報を一切入れずに鑑賞するのがベストだが、この今の世の中では土台無理なお話…。

「脳力」が試される…なんて云われればどうしても鑑賞前からこの手の映画のよくあるパターンを予測して身構えてしまいガチ。

とはいえ、妄想と夢と現実がごちゃ混ぜになっていたり、意図的にミスリードされていたりとやはり一筋縄ではいかない筋書きで、煽り文句よろしく一度では見抜けず再度鑑賞及び公式サイトの解説を閲覧する羽目に…。

比較的静かな語り口と全体的にセピアがかった画面、不協和音に近い音楽により不安感や閉塞感が持続され、上映時間90分と割とタイトなのにそれ以上に重く長く感じられる珍しい作品。

今作の原題は“Enemy”=敵。
「女性の敵は…女性」、女性の場合こうよく揶揄される事が多いように感じるが、果たして男性の敵とは何か?精神の奥底にある潜在意識…妄想や欲望といった内なる敵。この呪縛から一生逃れられないと思うと本当にやるせない(汗)