エソラゴト

フューリーのエソラゴトのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
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今作は戦争映画という名の「家族ドラマ」であり本当の家族の在り方を提示しているように自分には見えた。

戦車は奇しくもブラッド・ピット演ずる主人公ドンが終盤に語る通り"家"ー。

父がいて兄、弟、三男、末っ子…。全員がそれぞれの役割を果たし、全員が父を尊敬し労う母のような存在。性格の違いから歪な信頼関係のもと、言い争ったり殴り合ったり冗談を交わしたり戯れ合ったり。時に過酷な試練を課すことやお互いの成長を素直に喜びあったり。だからこそ、最後は我が家を守る為に一致団結して戦うことができる…。

戦争物でこうした戦車にスポットが当てられた作品は幾つかあれど乗組員の実情に迫った物はあまり記憶にない。戦車がどういう仕組みで目標に向かって進みどうやって大砲を撃つのか…。改めてこの映画で知ることができた。

正に「殺るか殺られるか」という極限状況下の中、任務を遂行する為に生き残る術は、この超重量級兵器を自在に操ることを可能にする家族よりも強固な「絆」なんだと理解。