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消えた画 クメール・ルージュの真実の天のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

監督自ら手作りした土人形がやけに生々しい、ポル・ポト政権下のカンボジアで起きていたことを淡々と記録映像を交えて監督が語る体験記。

予告編はこちら👇
https://youtu.be/h78QktoKmNs

○13:40あたり、監視役のクメール•ルージュのメンバーが「老人の世話は器械が行う」と説明するシーンで出てくる人形がチャップリンの「モダン•タイムス」に出てきた自動給餌器まんまで笑った。いや笑う状況じゃないですけども(;´=ω=)
○ポル•ポトの有難いお言葉
「現在の生産共同体は政治的•精神的にも堅固とした集団性を有し、オンカー(組織)の方針に従っている。」
「どの地方でも革命的成果を成し遂げた。きれいな水も飲めぬ旧社会の貧しく乾いた土地を改良した。今や大小の池が点在し、運河は流れ米や果物が青々と実っている。」
「共同体は新社会の基礎だ。腐敗や不正は排除された。共同体こそ新社会の土台で腐敗なき集団主義と平等と繁栄の象徴だ。共同体での生活は完璧だ。食糧も健康も衛生面も、文化も学校も教育も問題はない。」

○現実はこうだ。「藁葺き小屋、日照り、疲労、飢え、夜間作業用の蛍光灯、大音響のスローガン、田畑を埋め尽くすイデオロギー」というナレーションが胸に迫ります(´;ω;`)
○当時クメール•ルージュ支配下にあったアンコール•ワット遺跡へ潜入取材しようとして、クメール•ルージュに捕まり処刑された日本人カメラマンの一ノ瀬泰造を思い出しました。

ぶっちゃけ「映像の世紀」を観れば当時のカンボジアについてより多くの情報を得られるんでしょうが、とにかく土人形の造形が簡素なのに素晴らしく、目に焼き付く作品でした。


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アマプラよりあらすじ転載

《数多の犠牲者たちが葬られた大地―その土から作られた人形たちが、35年前の虐殺の成り行きを語り始める。闇に葬られたクメール・ルージュの悪夢、その狂気の実像を白日の下にさらす渾身のドキュメンタリー!映画監督リティ・パニュは、幼少期にポル・ポト率いるクメール・ルージュによる粛清で最愛の父母や友人たちを失った。クメール・ルージュの支配の下、数百万人の市民が虐殺され、カンボジア文化華やかなりし時代の写真や映像はすべて破棄された。奇跡的に収容所を脱出し、映画監督になったリティ・パニュは「記憶は再生されるのか」というテーマを追求し、あの忌まわしい体験をいまに伝えることを自らに課し、監督自身の過酷な体験を“土人形”に託して描く。本作は、カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉で上映され、グランプリを獲得。また、カンボジア映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるという栄誉に浴した。》
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