滝和也

それでも恋するバルセロナの滝和也のレビュー・感想・評価

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)
3.4
男女の楽しみ
人生とは無意味な
もので…楽しめば
いいんじゃない(笑)

ウディ・アレン流
ラブロマンスinバルセロナ

「それでも恋するバルセロナ」

果たして人生を楽しんでいるのは誰でしょう(笑)

婚約者がいる愛に堅実なヴィッキー(レベッカ・ホール)と奔放なクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)はバカンスでバルセロナへ。知り合ったファン・アントニオ(ハビエル・バルデム)と二人は恋に落ちる。だが…彼には別れたが奇縁で繋がる元妻マリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)がいて…。

ある意味ドロドロだが、バルセロナを吹く風のように不思議な乾きを持つ恋愛劇。

相変わらずウディ・アレンの人生への厭世観が感じられる。人生は無意味と言うバルデムの台詞に象徴され、またラストの二人の疲れ、呆れた表情にも象徴される。まぁ楽しんでるんで良いんじゃないと言う突き放した恋愛劇へのシニカルさや無駄さをアイロニーとして感じられるのはウディ・アレンらしさなのかなと。

バルデムの顔がデカく感じない程(笑)色男に描かれており、3人の女性を行き来する、まぁなんて羨ましい役。情熱的で芸術家と言うスペイン人らしさ満載の役柄ですよね(^^) 堅実な中に愛を秘めるレベッカ、理性と直感を行き来するスカヨハと魅力的な女性陣の中でも後半から乱入してくるペネロペ・クルスが私には圧倒的に魅力的(笑) ナイフで元夫をさし、新しい彼女を罵倒し、思いのまま振る舞う狂熱の女性(笑) 美しさと訳のわからなさと才能の塊と言う愛の怪物。この方の登場で前半を引っ張る二人の女優さんは掻き消えますわ…。まぁベティブルーが好きな滝には好みなんですよね(笑)ま、変態ですね(笑)

とは言え…ディープな恋愛劇をシニカルな目線かつアイロニーを込めて作ったと考えれば…人生を1番楽しんでいるのは何も知らない婚約者であり旦那となる情けない感じのヴィッキーの彼じゃないんですかね。若い頃ならウディ・アレンが演じそうな(笑) ま、考え過ぎか(^^) 

後…あんまり面白くないかな…女優さんの美しさを楽しむべきでしょう(^^)
滝和也

滝和也