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ジェニーの肖像のmichiのレビュー・感想・評価

ジェニーの肖像(1947年製作の映画)
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いい話だなと思う映画はたくさんあるけれど、久々にほろっときてしまった。

オープニングクレジットも無しにボイスオーバーが入り、ずっと鳴っているドビュッシーのコラージュ音楽がふわふわした不思議な雰囲気を作って、魔法のようなストーリーも、すっと入ってきた。特に牧神のクロマティックな旋律は効果的(ディミトリ・ティオムキン編)。ジェニーもエベンも、このあり得ない状況を素直に受け入れていて、再会がいつも自然なのが良い。ファンタジーが理解できないことが多い私でも、「彼にとって本物ならそれでいい」という答えを明示してくれているからすっきり観終わった。登場人物はみんな優しかった。白黒ながら、光がきれい。
印象的なジェニーの歌は、Bernard Herrmann。

いつものことながら、Joseph Cottenが素敵。スケートするところかっこよかった。それにしても、この方はなかなか単純なハッピーエンドとはいかないお話が多いね。
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