踊る猫

踊る猫の感想・レビュー

悼む人(2015年製作の映画)
3.9
天童荒太氏の原作は例に依って未読。だから原作を何処まで周到に活かしたものかは分からないが……そもそもの設定自体ツッコミどころ満載だし、「死」と「生」をテーマに重く描こう/問おうとしている意欲は大いに買いたいのだけれど、堤幸彦監督はやはりコミカルというか、おちゃらけた場面を撮らせてこそ光るのではないか。つまり、この映画は(堤監督には甚だしく失礼な言い方になるが)悪い意味で真面目過ぎる。椎名桔平氏を活かしてもっと夫婦漫才的な丁々発止のやり取りを入れたり、カメラワークを遊ばせたりする余地があったと思うのだが、そういうのが禁欲されているせいで美味しい部分が台無しになっている感が否めない。現代風俗の取り入れ方も何処か頭でっかちというか、もうひとつ生々しく描けていないというのか……桜吹雪とか山際に月(太陽?)が登る場面とか、撮り方は色々あったと思われる。残念。堤監督のコメディに期待したい。また『イニシエーション・ラブ』的なものを!