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ラブ&マーシー 終わらないメロディーのsoのレビュー・感想・評価

3.5
クラスの冴えない男子、だけど何故だか妙に気になってしまう、的な不思議な存在感を放つポール・ダノ。
そんな彼がブライアン・ウィルソンを演じている時点で絶対良いに決まってる。
そんな予想通り、ポール・ダノが冷静と情熱の間で焦燥する神経症的なブライアン・ウィルソンを好演。

ブライアン・ウィルソンという一人の人間の内奥が丁寧に描かれているところもとても良かったが、何と言っても興奮させられるのはスタジオでのレコーディング風景。どこまで忠実に再現されているのかわからないものの、狭いスタジオに大人数のミュージシャンを詰め込み、1音1音が重ねられ、次第にあの「ペット・サウンズ」が出来上がっていく様子は鳥肌モノ。ブライアンがお父さんの前でGod Only Knowsを弾き語ってみせるところも美しい。

このブライアン・ウィルソン物語が私たちをどこまでも悲しく切なくさせるのは、彼の作り出す音楽のピュアさだ。
こんなにも濁りのない純真無垢な音楽を作り続けた人が他にいるだろうか。
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