ひこくろ

スティール・コールド・ウインターのひこくろのレビュー・感想・評価

4.0
これは、韓国版の中学生日記だなと思った。

高校生たちの心情を描いていくというのではなく、何が起こったかをドラマチックかつストレートに描いていく。
その描き方はあまりにも直球過ぎるので、観ていて気恥しくもなってくるし、嘘臭くも感じてくる。
ただ、出来事に対処していく高校生たちの姿は、それはそれで彼らの心情を伝えてくる。

こういうドラマの描き方ってのは、昔の大映ドラマや中学生日記が得意としていたやり方だ。
どうしても起こる出来事が過激になりがちだし、作られたドラマ感も出てしまう。
リアリティって面では明らかに弱い。が、ドラマとしての面白さはあるとも言える。

心に闇を抱えた転校生と森の中でひとりスケートをする美少女との出会いとか、噂を広めて美少女を孤立させていく同級生とか、父親と寝ているという噂とか、とにかく全編やり過ぎな感が強い。
しかもかなり過剰に描かれるので、余計にその思いは強くなる。
でも、なんとも言えない懐かしさもあって、個人的には楽しく観られた。
大映ドラマや中学生日記を楽しんで見ていた感覚を思い出したというのが正しいかもしれない。

不勉強ながら、韓国映画でこういうタイプのものってほとんど観た記憶がないので新鮮だった。
ひこくろ

ひこくろ