カルダモン

フレンチアルプスで起きたことのカルダモンのレビュー・感想・評価

4.2
フレンチアルプスで起きたこと。
それは雪崩です。
文字通りの。

なんの変哲もない普通の家族、普通の休暇、普通のスキー場、普通のランチ、だったはずなのに。

スキー場が災害予防として人工的に起こした雪崩によって雪だるま式にエフェクトしていく家族の関係。もとよりあったはずの綻びや亀裂が露呈し始めて、言葉尻の捉え方、視線の飛ばしあいなど、そこかしこに地雷源。それでも最後まで家族の体裁を保とうとする父と母。誰にだって大なり小なり感じたことがあるような、家族間に差し込む疑惑の種が、なんとも居心地が悪く、そして他人事であるから面白い。そしてこの監督は面白いなどと笑っている私に罪の意識を植え付けようとしてるのではないか。そんな勘繰りさえ生まれてくるのであった。

家族。あらためて不思議な集合体。離れていても近くに居ても、知ってるようで知らない。見ているようで見ていない。よくよく考えりゃ鏡のように、直視するのが怖いのか?とも思う。

記念写真のシーンが最高に微妙な空気感で素晴らしい。下山するバスの件も。あ〜ぁ、、って感じを味わう。