ショウコ

悪童日記のショウコのレビュー・感想・評価

悪童日記(2013年製作の映画)
4.2
双子の北欧美男子…はん!グッドナイトマミーと同じネタでしょもう騙されんぞと警戒しながら観てしまいましたがそもそもホラーじゃなかったですね

疎開先で降りかかる理不尽を耐え抜くべく「自主トレ」していく双子の日記。こんな切り口で戦争を語るとは恐れ入る!あたかも遊んでる様に己を鍛えるのですがその理由と方法が痛々しいです。暴言に傷付かないために互いを罵り合ったり、痛みに慣れようと殴り合ったり、空腹に負けないように断食したり…。電灯の紐でシャドーボクシングとか横断歩道の白線を踏み外したら死亡ってのとはワケが違った

ジュブナイルものとも言えるけれど爽やかな話じゃないです。虫や魚をピンで留め記録していく「残酷さに慣れる訓練」なんて社会病理者の成り立ちそのもの。教育者がおらず、素直だからこそ逞しく歪んでゆく過程は見てられません。(いやこれはフィクションだから!)と自分に言い聞かせ続けてましたよ

日記スタイルなので常に双子が映ってる。シーンが断片的で唐突に飛んだりするのに話はピッタリ繋がる事に脚本の力を感じた。兎っコなど一部、双子の知り得ない事まで描かれてるのは映画的に仕方ないのかな🤔
特徴的な太鼓の音や、早口で呟いてる様なBGMが超独特です(カウボーイビバップ劇場版で似たのを聴いた)

皆まで言われずともゲイ将校さんに何かしらされただろう事は想像つくし、女も絶対ヤってますよねあれ。抑えてはいたけどショタ趣味(しかも美人)描写って見たことないので新鮮でした。
物事の判断基準や優先順位が狂わされ、人間が動物的になる戦争という状況にツッコミ不可能な道理がありました。ラストは、祖国に半分を残してきた作者自身の魂を表してるんだと思います

甘さ控えめ手加減ナシの内容でしたが原作はこんなもんじゃないのでしょうね。タイトルすら聞いた事なかった事を恥じました
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