mimitakoyaki

グッド・ライ いちばん優しい嘘のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.0
20年にもわたる内戦で孤児となったスーダンのある兄弟が、難民となってケニアに逃れ、「ロストボーイズ」としてアメリカに渡る話。

恥ずかしながら、スーダンの内戦の事も難民の事も、これまで自分の中での関心も薄くよく知りませんでしたが、この映画を見て、言葉には表せない程の過酷な状況に追い込まれたスーダンの人たちの事が少しわかりました。

村が兵士に襲われ、両親を失い、きょうだいだけでエチオピアやケニアを目指して歩いて逃げる1000kmを超える旅。
砂漠や荒野、川を素足で渡る、飢えや渇き、病気や怪我とのたたかい、兵士に襲われる危機…
歩けなくなった弟をおんぶして延々と歩く、こんな壮絶なことが本当にあっただなんて信じられません。

ケニアの難民キャンプに辿り着いたきょうだいは、13年後に運良くアメリカの難民受け入れ計画によって、アメリカに渡ることができ、前半の難民キャンプに到達するまでの過酷な旅と比べると、スーダンとアメリカのカルチャーギャップに戸惑う兄弟たちがコミカルに描かれていて、ようやくホッとしながら見れるのですが、難民が異国の社会で生きていくのは厳しく、スーダンや難民キャンプにいた時とは質の違う苦しさも描かれていました。

けど、この兄弟は親切なアメリカ人が周りにいてかなりラッキーな方なんでしょうね。
格差や貧困、人種差別などの問題を抱えるアメリカで、アフリカから来たばかりの難民が生きていくには、実際はもっと厳しく困難もあるのだと想像します。

家族で助け合いながら生活を営み、村が襲われてからは、きょうだいで命からがら何ヶ月も歩いて逃げてきたという経験からも、きょうだいの絆がとても深くて、その愛するきょうだいの幸せを自分の事よりも願っての優しい嘘にジーンとしました。

今年は混迷を深めるシリアから逃れてきた難民の話題をよく耳にするようになりましたが、アフガニスタンやシリアからヨーロッパまで徒歩やゴムボートで家族でやってくる人たちの事も考えずにはおれません。

あまりにも多くの難民を受け入れる事は確かに困難さもありますが、戦争から逃れ、何千キロも歩いて逃れてきた人たちに、何とか安らぎを与えられたら…
日本は世界的に見ても難民の受け入れが極端に少ないということです。
難民を受け入れることで、今命の危機にある人を救って、安心して生きていけるように援助する、助け合うことの方が、戦争に協力するよりも平和に貢献できるのにと思います。

この映画を見て、難民問題やあるべき社会のあり方についていろいろ考えさせられました。

【15-66】