ふしみあい

アイアムアヒーローのふしみあいのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
5.0
ここのところ5.0が続いています。どんな映画も一本作りきるというのは本当にすごいし、それでもう面白かったら5.0つけちゃう…!

まず日本でこんだけ振り切ったゾンビ映画を撮れるのがすごい。
バイオハザードとかアイアムレジェンドみたいなCGに頼りきった映像ではなく、ちゃんと特殊メイクで実際に撮っているところがイイ。
本物の質感や空気が感じられて最強に怖い。

そして、日本という土地の狭さが映画から滲み出てくるのが今作の魅力だと思う。
外国に実際に行った時、日本てなんて狭いんだろうと思った。外国はもう土地が余って余って、公園や馬鹿でかい広場がそこら中にある。日本なんてちっさい家が立ち並び、道路も狭く、人がせわしなく行き交う。そんな中でゾンビ。もう距離が最初から近い。
狭い部屋の中でエンカウントしたらもう、死しか感じない。

冒頭から徐々にフラグを立てて嫌な予感をどんどんさせて行って、見事にそれを形にしているのは爽快感すらある。一連の道路を逃げ回るワンカットは本当にかっこいいしすごすぎるし見事。
そして有村架純との出会い、別れ、再会。全然もたつくことなく主人公、大泉洋の好感度が急上昇していく。

ゾンビといえばショッピングモール、ということで最後の舞台となるショッピングモールについてからは、やっぱり本当に怖いのは人間だよね、と言いながらも最後はきっちりゾンビとの対決を見せてくれてアツい。いやもうゾンビが怖すぎる。
大泉洋が自分を奮い立たせて、逃げずに戦おうとするシーンの演出や演技に鳥肌がたった。そしてその後の活躍。大泉洋が、とかではなく、キャラクターが本当に格好いい。

有村架純とのエピソードや長澤まさみとの信頼関係の芽生えとか、色々脚本的にも演出的にも面白いのはもちろんだが、とにかくゾンビがすごい。一般人がゾンビ(ゾキュン)になっているのがよく表されていて、ものすごい巨漢から赤ちゃんまで多種多様なゾンビが出てくる。
純粋なゾンビ映画として楽しめたしその中での人間模様や展開も面白かった。映画館で見たかった映画。でもちびってたかも。