一流レストランの料理長だった主人公が、SNSの炎上で職を失い、再起をかけてフードトラックを始めるという物語。
『アイアンマン』のジョン・ファヴロー監督が監督・脚本・製作・主演を務めたという、かなり思い入れの強そうな作品。
あらすじ的にはよくあるなーという感じで、実際良くも悪くも期待を裏切らない作りだった。
ただ、SNSがとても大きく関わっているのが現代的で、「こういうこと本当にありそうだなぁ」というリアリティがあった。
それより何よりこの映画の良さはキューバの音楽やノリの良さ。
物語自体はほぼアメリカで繰り広げられるのだが、核となるのはキューバ。
アメリカ映画ではあるが、キューバの魅力がたっぷり詰まった作品になっている。
息子が小さい頃、いろんな経験をさせてあげたいと、いろんな場所に連れていった。
でも本人が覚えているのは、その道中での何気ない会話だったり、私が思い出せないような日常のひとコマだったりする。
この映画を観ると、「一緒にどこかに行く」ことが大切なのではなく、それによって「向き合う時間を作る」ことが大切なのだと改めて気付かされる。
フードトラックの旅は、観ていても「終わらないで」と思ってしまうほど素敵な旅だった。