Kamiyo

百円の恋のKamiyoのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
4.2
2014年”百円の恋” 監督武正晴 脚本足立紳

故・松田優作氏の出身地である山口・周南映画祭に新設された
第1回松田優作賞グランプリ脚本
話題になってて評判もいいとの事ではありましたが、
内容も全然知らないままに観たら、すっかりヤラれました
意外な展開にビックリした。
結構ブチのめされましたよ。
安藤サクラの女優根性に圧倒された。セリフは少ないけど
貧乳さらしてのセックスシーンやら、体を張ったボクシング…。
ありゃ、簡単にはできないよ。

安藤サクラさん演じる斉藤一子はブサイクだ。
自信の無さからなのか、他人とのコミュニケーションを
とるのが上手くなく、何気に周りからも傷つけられる分
観ていて「痛い」のだ。
そしてそんな「ブサイクで痛い女」を体現している
安藤サクラさんが素晴らしい。
彼女の女優魂に脱帽する。
プロとはこういうことだと改めて感心させられ

一家経営のお弁当屋「さいとう亭」の娘・斎藤一子(安藤サクラ)
32歳、ニート、家に引きこもり自堕落な生活。
妹・二三子が離婚のため子連れで家に帰り、姉妹喧嘩が絶えず
一子が家を出ることに。
100円ショップの深夜バイトに。そこで働く人々も
何らか問題を抱え、どちらかというと底辺の人々。
緩慢な動作、たるんだ肉体、どうしようもなく心身ともに
ダレきった一子の姿は痛々しい

そしてあるきっかけからボクシングジムに通う。
プロになって試合をしたいと思う。
画面が動き出す。トレーニング風景、その場面での時間の経過、
見違える体の動き、引き締まったアスリートの体、鋭い運動選手の目つき、ボクシングの動きも本物を感じる。
何故か感動、この場面以降、涙が止まらなくなっていました。
そして試合へ。試合前の眼光のするどさ、選手のとしての体つきの説得力、力強さ、スローモーションで映る姿、こんなに素敵な俳優の顔を見た事がない。

妹・二三子が言う ”一発ぐらい殴れよ” ダウンした時 ”起きれ起きれ”
喧嘩はするけれども 姉を励ましているよう”頑張れと”

ラストがまずいです。
一子(安藤サクラ)が初めてのボクシングの試合でぼっこぼこに負けて外に出たら、自分をヤリ捨てした元ボクサー(新井浩文 )が待ってて、手を引かれて泣きじゃくりながら歩くシーン。
我慢ならないです。あいつをぼっこぼこにして終了がいいです。
せめてキックくらいしてよ。
新井浩文さん演じるボクサーにあまり魅力を感じない
ミスキャストですね

安藤さくらさんの女優魂をみました。
流石 奥田瑛二の娘だ その辺の二世の俳優とは違うな
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