びしょびしょバイオレンス、完結。
まさかまさかのGONINの正統続編。というか、GONINを観ていないと何のことだか分からないストーリーです。95年に公開され、役者陣の怪演や激しいバイオレンスなどで話題となったGONIN。個人的にはやはりヒットマン役のビートたけし、サイコな竹中直人、激渋な鶴見辰吾などが印象深い。
そんなGONINから19年後の物語が、このGONINサーガだ。
まるで90年代の映画のような、荒っぽくて勢い任せな作品だ。前作の勢いに乗りたかったのだろうが、残念ながら勢いに乗るには間が空きすぎた。役者陣の熱演もどこか空回り、話は支離滅裂、長い割に要領を得ない構成、弾けきれていないバイオレンスなどかなり残念な仕上がりになってしまった。前作からの因縁にケリをつけるという意味では根津甚八さん絡みのシーンは良かったけれど、それもごく僅か。
今はジョニー・トーやニコラス・ウィンディング・レフンが新しいフィルム・ノワールを追求しているのだから、正直古臭いだけの作品になってしまっている感は否めない。
やたらと土砂降りの雨を映したがるという石井隆監督の執念だけが残った、残念な一本だった。
