2014.12.6 新宿武蔵野館
沖田作品を劇場で見れる喜び。
2013年、ずっと心の中に『横道世之介』がいた。そんな素晴らしき作品を生んだ沖田修一の新作がオリジナル脚本なのだから見にいかない訳がない。
幻の滝を見にいくツアーに参加した7人のおばちゃん達が山で遭難するお話。女は強しおばちゃんはヨリ強し。7人のおばちゃん達が山で右往左往しながら次第に距離が縮まり己の日常の悩みを告白し共有し美しく進化し下山する。このなんて事ない物語を沖田監督はやはり優しい視点で描いて見せるのだ。おばちゃんから発せられるセリフ一言一言に彼女達の生が行き届き彼女達の人生を浮きだたせる。なんて事のない物語の中に潜む大切な何かを感じさせてくれる秀作である。
主演の7人のおばちゃん達はほぼ全てが無名の劇団員や素人で構成されていてこの普通っぽさがまた良かったりする。映画的な特別な展開もなくあるのはきっと7人のおばちゃんが遭難したらありえそうな事ばかり。だから面白いしラストの清々しさを味わえる。
こんな映画誰が撮れよう。沖田修一のみが撮れる沖田ワールド映画ここにあり！
