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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のkoyaのレビュー・感想・評価

5.0
映画でしかできないこと。
そういうものがあります。テレビドラマでも演劇でもできない、映画だけのもの。
私はそういう映画が観たいと思います。

人気原作に頼らず、オリジナリティにあふれ、皮肉とパロディにあふれ、美しさと本音が同時に語られ、そして演じることへの賛歌を忘れない、そういう映画が大好きです。

バードマンはあきらかにバットマンのパロディなのですが、それはアメコミもの映画の量産とそんな映画しか観ない観客への鋭い皮肉となっています。

私はアメコミものも好きなのですが、同時に、アジア映画やヨーロッパ映画、日本映画も大好きです。映画が好きです。
この映画の作り手は、あえて「演劇」の世界を描きながら、映画の世界を描いてみせます。

こういう手法の映画、撮影大変だったと思うけれど、観ていてとても楽しかったし、これぞ映画の瞳の快楽でしょう。

役としては、エドワード・ノートンの嫌な奴ぶり、エマ・ストーンのすれっからしな雰囲気が良かったです。演じているのをすごく楽しんでいるようで。
逆に主役のマイケル・キートンは、お疲れ様です、と言いたい。

とても気に入った映画。マニアックで辛口かもしれないけれど、真善美を描くだけが映画じゃないんです。大人になればわかるけど、世の中は本音と建て前なのです。
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