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ニンフォマニアック Vol.2のtorakoaのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
3.0
そう多いとは言えないこれまで観てきた映画の中で最も嫌いな映画関係者を挙げるならこの人。というぐらいにはラースフォントリアーが嫌いだ。わざわざ不愉快になるために観るようなものだが、好きな俳優出るもんだから渋々。

この人の作品て机上の空論的な登場人物とストーリーて感じで毎度どうにも嘘くさい。そして何だかぐだぐだ。自己満足第一で観客を納得させようとは思ってないからだろうと思う。
けど評価されたい理解されたい承認欲求は凄く感じる。そりゃ作品発表する以上はそうだろうけど、何かいつも似たりよったりな材料をこねくり回してるだけで井の中の蛙感というか閉塞感みたいなのがあって、箱庭的世界に観客を押し込めて毎度ドヤっとしてる感じ。作家性てことになるのかなー。

何だかんだで評価されてる人なんだし、私が芸術を解さないゆえに理解できないということなのだろう。合う合わない確実にある。

で、これまで観たラースフォントリアー作品の中ではこれが一番好きだ。登場人物も話も嘘くさくて流れも不自然で違和感あって悪趣味で厭味満載なのはいつも通りだったと思うし、大変不愉快ではあったが。
ドッグヴィルの特典だったかで「だがユーモアがある」とステラン(とポールもだったか)が言ってたのが衝撃で、どこによ?全然わからんわ!この監督のユーモアを解することなんぞ生涯あるまいよと思ったのだが、これはわかりやすくてちょこちょこ笑ってしまったので。

「それは○○だ!」とか嬉々として語るステラン面白かわいかったので、彼の反応が楽しみで完走できた感じ。そこが評価高めの理由。
おっ立て状態で言い争うとこも笑った。Vol.1の恐ろしく短時間で終了したのもギャグなんだろうか。

それはこういうことだからおかしくないと言われる度に不機嫌になり、これでもかこれでもかと不愉快な経験談を繰り出してくるヒロインは、人と違う特別な自分に酔ってる感じでいけ好かないし、色々不自然な話で何がしたかったんだかさっぱりわからない。
説明されたところで、そうでしたか私には伝わってきませんでしたねとしか思わないのでどうでもいいことだが。

症状(と言っていいのか)について私が誤認してるのかもしれないが、この人も誤認してる気が凄くする。自分の思いついた話に当てはめるために敢えてなのかもしれないが。
別にその状況で出掛けていくのがおかしいとは言わないが、泣きながらってあたりが嘘臭い。家族というものに、というより人とのリレーションシップ自体に興味がない、魅力を感じていない人に思えるので。こんなにいけない罪深い私、に酔ってるならまあわからんでもないので、そういう意味ならアリだろうけど。ってそこまで考えてやらなきゃならんとこが凄く嫌だ。

訳のわからない頑固さと、好意を持って接してくれる男にだけ冷たく当たるというのはこの監督の手癖みたいになってるのか理想の女性像ないし理想のヒロイン像なのか、よっぽど何かあるのか。引き出し多くないよなーこの人。まあそれが描きたいことで個性てことにもなるんだろう。

終盤どうにも意味不明なんだが、単に入れたかっただけか。アホな放尿犯〜♪とは関係ないよなさすがに。どうだ凄いだろうみたいな感じですげー引いた。まー主人公が主観で語ってきた中には描かれてなかった、彼女がそうしたくなるような理由があった可能性もなくはないだろうけど凄い唐突に豹変した人になってて理解不能。

『異常性欲アニタ』がベースというかパロディだと思うので、そっちで治療(で合ってるのか)のために必要とされていたものはこの主人公にも当てはまるのかもしれない。
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