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タッチ3 君が通り過ぎたあとにのsingerのレビュー・感想・評価

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「タッチ」劇場版3部作、完結!
ということで、いよいよ柏葉英二郎が登場。
やっぱり、この人が監督になってから、ちょっと緩くなってきたストーリーが、また引き締まるような面白さがあったのは事実。
少しキャラが行き過ぎて、今では結構問題がありそうな感じもありますが、「タッチ」の物語の中では、“助演男優賞”並の存在感を放っていたなぁと。

そして、明青学園は、擦った揉んだがありまして、ついに甲子園を賭けて、宿敵・新田明男率いる、須見工との決勝戦へ・・・。
なのですが、そのナインが勝ち上がってく部分が、殆どダイジェストみたいになってしまっていて、監督との確執が、少しずつ信頼感に発展して行く所や、チームに地力が付いていく部分が、エピソードの中で積み上がって行かないので、やっぱりどうも味気ないなぁという感じになってしまっていたのは、残念。

後は、ラストシーン。
いやいや、そうじゃないだろうと。
「タッチ」の1番肝心なトコがエンドロールで一枚絵だけで済まされてしまうという、その締め方だけは、ちょっとビックリさせられてしまいました。
うん。
もう、完全に記憶からそっと消しときたいレベル。
そんな事もあって、この完結編は、あんまりというか、全然覚えてなかったんだろうなぁ。
南の新体操部での活躍も、この劇場版ではエピソードとして中途半端な終わり方をしてしまっていたし、いっそのこと野球に絞った方がマシだったんじゃないかと思うくらいでしたね。

加えて、達也のもう一人のライバル西村勇も、新田の妹である由加も、
原作では味のある良いキャラクターだったのに、この劇場版では無かった事にされてしまっているし、やっぱり原作をしっかり読んで楽しんだ人にとって、この劇場版はかなり物足りないものだったなぁという印象しかありませんでした。
自分は、この劇場版の公開時はリアルタイムではなく、少し遅れて見た世代なんですが、当時はこの3作はファンに受け入れられていたものなのかなぁというのが気になる部分ではありますね。

ということで、ちょっと位置付けが難しい劇場版3部作。
総評としては、「タッチ」を初めて見るという人には、全くおススメ出来ないし、
原作ファンが本編のダイジェストとして楽しむというのも難しいと思う。
でも、観ていてとにかく懐かしかったんですよね。
だから、それだけでもなんか良かったという、そんな感じですね。

そして、この勢いで長澤まさみが浅倉南を演じた、実写版まで観返してしまおうかと考えてます。
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