ミチ

グラスホッパーのミチのレビュー・感想・評価

グラスホッパー(2015年製作の映画)
2.0
愛する人を殺された男が、真犯人に復讐すべく裏社会に入り込み、ゴタゴタに巻き込まれていくお話。


CSでたまたまやっていたので鑑賞。

原作を読んだのはもう何年も前だが、印象的な言葉も多く割と鮮明に覚えている作品。


原作の哲学的な部分を映画で表現するのは難しいだろうなと思ったが、やはりそういった部分は排除してノワールに振り切って作っている感じがした。

浅野忠信の持つ空気感は鯨に合っていたし、槿を演じた吉岡秀隆の狂気性も良かった。

蝉は原作とは違うイメージだが、身のこなしを見てキャスティングに納得。鯨との対決は見応えがあった。


しかしながらそういった良い部分をすべて忘れさせてしまうような破壊力のあるあのラストはなんなんでしょう。

あまりにもチープ過ぎてコメディかと思ったわ。

恋人との回想もそうだが、変に感動を求めたせいで、映画全体のバランスが悪くなってしまってる印象。


そういうのとっぱらって暴力とスピード感で最後まで突っ走ってくれたら、原作とは違う魅力のある「グラスホッパー」が生まれたのではないかと思う。
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