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レヴェナント:蘇えりし者のtjZeroのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.1
先住民の地で毛皮を追う狩猟隊のガイドを務めるグラス(レオナルド・ディカプリオ)は瀕死の重傷を負い、豪雪の中に置き去りにされる。
驚異的な生命力で生き延びた彼は、仇を討つために隊の行方を辿っていく…。

画面の中の”自然”の”圧”がすごい。圧倒される。
降雪、積雪、暴風、獣の咆哮、冷たい川の流れ、樹木の長い影…などなど、自然や野性の情報量がハンパないので、セリフはほとんど必要ない。
普通の映画の会話量の1/3~1/5以下なんじゃないだろうか。
その分、自然が雄弁に物語るので、字幕を消してもお話はよくわかっちゃうと思う。

観ていて生命力とか免疫力が上がるような、内側からパワーがみなぎってくるような作品だった。

主演のディカプリオって、『タイタニック』でも『仮面の男』でも『レボリューショナリー・ロード』でも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でもそうだけど、酷い目に遭う役が似合う。

”鼻持ちならないお坊ちゃま”みたいなイメージがずっとあるから、観客の方にも「あの鼻っ柱を折ってやりたい」みたいないじわるな気持が湧いてきてしまうのかもしれない。

本作はまあ、お見事なくらいの”折られぶり”で、喉を負傷した役なので声までしゃがれさせて大熱演。
ラストカットは彼のカメラ目線で終わるんだけど、
「これだけやったんだから、賞、くれよな⁈」
とアカデミー会員に訴えているようでもあった(祝🎉念願の主演賞)。
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