KouheiNakamura

レヴェナント:蘇えりし者のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.7
本年度アカデミー賞主演男優賞及び撮影賞・監督賞受賞作品。
実在したハンター、ヒュー・グラスの壮絶な復讐劇を圧倒的な映像で魅せる力作。

全編自然光による撮影にこだわり、気温マイナス24度の中で役者・スタッフを酷使しながら撮られた映像は凄まじいの一語。また監督の前作「バードマン」でも見られた驚異の長回しは今回も健在。被写体が次々に変わる冒頭の集団戦に始まり、熊とレオ様の驚異のファイト、馬ごと落下していくカメラなどなど、見たことのない映像の連続。今作で初のオスカーを手にしたレオナルド・ディカプリオを筆頭に役者陣も熱演、怪演。特にトム・ハーディの堂々たる悪漢ぶりには息を呑んだ。
坂本龍一氏の手がけた音楽も映像との親和性が高く、映画への没入感を高めている。

ここまで見事に作り上げられた映像作品ならば文句なし!傑作の太鼓判を押しても問題なし…なはずなのですが。

正直に言うとこの作品、僕はそこまでノれませんでした。イニャリトゥ監督の個性だとは思うのですが、いわゆる幻想的な場面が続く中盤がどうにも退屈で…。実は、何度かウトウトしてしまいました。ひょっとしたらその間にいくつか重要な場面を見逃しているかもしれませんが、ストーリーの流れは問題なく追えました。
テレンス・マリック監督しかり、イニャリトゥ監督しかり、少々映像美と観念的な描写に頼りがちな気がしてちょっと苦手です。映像作品としてのクオリティは抜群に高いですし、素晴らしい演技の数々が見られるので一見の価値はあると思いますが…個人的には再見したいほどの魅力は感じませんでした。残念。
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