おらんだ

デビルズ・ノットのおらんだのレビュー・感想・評価

デビルズ・ノット(2013年製作の映画)
3.6
1993年アメリカ、アーカンソー州。三人の児童が行方不明になり、後に無惨な姿で発見される。地元警察は三人の青年を犯人と断定、逮捕する。青年達はオカルトやヘヴィメタルを好み、悪魔崇拝者として問題児扱いされていた。探偵のロンは強引な捜査に疑念を抱き、独自に調査を開始する。

実際に起こった事件を基にしたノンフィクション映画。当時の警察の捜査の杜撰さや不明瞭な点に焦点を当て、事件は冤罪であるという視点で物語は進行する。

警察の捜査が真実を追求する役割を全く果たしておらず、状況判断と偏見に基づいて青年達を追い詰めていく。裁判も同様。アンフェアな判事による一方的な裁判。全てが出来レースで結末が想定されている。中世の魔女狩りの様な異様さ。

対して、この映画は青年達が冤罪であると訴える内容となっている。紛失した血液サンプルや信憑性の薄い証言など、検察側の穴を突き、判決が不当なものであったと主張している。重要なのは「事件の真実を暴く内容」ではなく、あくまで「冤罪を主張する内容」であるという点。後半には特定の人物を犯人ではないかと示唆する描写もあり、当時の警察とほぼ同じ事をしてしまっている所には落胆した。

日本でも同じ様な事はある。事件が起こった時、真っ先に疑われるのは近くに住む「変なヤツ」だ。マスコミはそういう奴を見つければこぞってインタビューするし、TVに映ったそいつを見た人間は「犯人、コイツじゃね?(笑)」と呟く。
犯人が逮捕されればオタクグッズだらけの部屋が、「こんな物ばかり観てたらいつか犯罪を起こしますよ」と言わんばかりに写し出される。それが全ての元凶の様に。

【オカルト、オタクな趣味に傾倒する奴】と、【そういう奴はいつか犯罪者になると本気で思ってる奴】。どっちが本当に【いつか犯罪者になりそうな奴】だろう。