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パパが遺した物語のSUIのネタバレレビュー・内容・結末

パパが遺した物語(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

事故の後遺症の残る父親と、セックス依存症に陥った娘。
それはかつての父親との思い出と、現在の娘の物語。それらが交互に展開されている。

最大級の愛を与えてくれた父親を亡くしたことで心に大きな穴が開いてしまったというのは納得できるし、その境遇に同情もする。
けれど、だからといって、それがケイティー(アマンダ・サイフリッド)がセックス依存症になった理由だといわれても今ひとつピンとこない。
その後の彼女の人格形成に多大な影を落としたのはその通りだろうけど、依存症に陥るでの過程をまるっきり省いて過去と現在だけを描かれても、あまり心には響かない。

その依存症が原因で、唯一愛することのできたキャメロン(アーロン・ポール)と破局してしまうけど、深刻なのはそこだけだし、葛藤もそこだけ。

そもそもケイティーは人を愛せないといっていたのに、キャメロンは何が他と違ったのか。
それまでの行きずりの男たちと出会い方だって変わらないし、際立ってイケメンというわけでもない。
しいていうなら父親と同じ物書き(志望)で、彼のことを敬愛しているということくらい。
それが理由なら、そこをもっと印象付けしてほしい。

これはこれで感動もしたけど、作り方如何によってはもっといい映画にできるはずだと感じてしまう。
そういう意味ではすごく残念。
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