T.E.ローレンスって、『アラビアのロレンス』か!
ちなみにT.E.ローレンスを演じているのは、ロバート・パティンソン。
女性版アラビアのロレンスが、この映画の主人公。
オスマン帝国が崩壊する頃、国境を引くのに貢献したガードルート・ベルという実在のイギリスの女性。
この映画が不思議なのは、
イラクやトルコといったアラブの国々が舞台の、
イギリス人たちが主人公の物語を、
ドイツ人の監督が、
オーストラリア人を主役に撮っているところ。
ロバート・パティンソン、ダミアン・ルイス
などイギリスの布陣は強いので、
いっそイギリス固めで製作すれば良かったのに、と謎なんですよ。
ニコール・キッドマンは美しく聡明さもあるけど、
若き日の恋のように描くには、流石に歳を感じる。
1人の人間としての強さはあるのに対し、何故か聡明さよりも我儘さを感じてしまう。
男が描く強い女って感じがする。
もしくは、私がこの女性の強さに嫉妬してるか。
というよりも、ガードルートの政治的な成功よりも、中心が恋愛の話だからかもしれない。
1人目の忘れられない恋の相手が、ジェームズ・フランコ。
ハンサムで詩に心得があり知的な伯爵家の息子、としてキャスティングされるなんて珍しい。
自らに陰があるからこその優しさが心地よいね。
不思議と作品には馴染んでるけど、フランコの使い方としては良さが活かしきれていない感じ。
2人目の危ない恋の相手はダミアン・ルイス
せっかく素晴らしいダミアン・ルイスなのに、今度は役柄の使われ方が違う。
大切にしていた銃を彼女を守るために託すのに、勝手に他の人にあげられたり、
良い馬をプレゼントしたのに、ラクダに交換されたり、散々なのに何故優しいのか。もはや謎。
3人目、とは言えないがロバート・パティンソン。
考古学を学ぶ学生。言葉選びが変わっているのと、お茶目な表情がチャーミング。
出番が少なすぎるのよ。
有名人だから創作しづらいのかなぁ。寂しい。
アラビアの土地、砂漠の映像は全て美しく、
衣装なども良かっただけに、
肝心なストーリーがちょっと史実的に物足りなかったのが残念でした。