ショウコ

4分間のピアニストのショウコのレビュー・感想・評価

4分間のピアニスト(2006年製作の映画)
4.0
重い過去を持つ老ピアノ教師 vs 天才だけど烈火のごとく破滅へ向かう女囚👊
刑務所が舞台のスポ根ハートフル人間ドラマを想像してましたが魂の殴り合い展開に狼狽えさせられた。「セッション」の様なドンパチではなく炎と水みたいな対極の女同士の闘いで、同時に恋愛映画でもある

この女教師の動じなさが素敵なんですよ。諦観の混ざった哀愁の眼差しや少し丸い背中、高潔さにグイッと興味をひかれる…と言うか好きになってしまう!でもこのおばあちゃん、きっとハナから根っこの部分じゃ反逆者だったんでしょうね。「低俗な音楽」を嫌うのも禁欲的なのもその裏返し

曇天の鳥たち→有刺鉄線へ下りてくる冒頭からずっとカメラワークが綺麗で最後まで目が楽しかったです🎥最初の乱闘の撮り方なんて一発で性格が分かるし、時間を細かく前後させたり説明ゼロの過去シーンなど馴染みの無い構成は「ムショの壁ばっかじゃ飽きるでしょ?」というサービス精神に見えた

互いに自分を貫きつつも影響し合っていた事がグラスワイン×3とお辞儀に表されるのですが、ちょっと老女の心の動きが唐突で納得いかないところもあった。あれはヤケ酒と捉えた方が良かったのかしら…🍷

ラストの衝撃的な演奏は日本人が監修したんだそうな。でも私があの会場に居たら拍手は出来ん。だってピアノがかわいそう!
ショウコ

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