カテリーナ

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のカテリーナのレビュー・感想・評価

4.4
思えば『インセプション』で初めてトム・ハーディという俳優を見つけ
何となく頼りになる兄貴という印象を持つ
勿論アクション俳優の括りで
その後『ダークナイト ライジング』
『マッドマックス 怒りのデスロード』と
更には『ウォーリアー』と立て続けにアクション俳優の印象を濃くして行った
フィルモグラフィー
それをいっぺんに覆したのが本作

いつの間にかワンシチュエーション映画でも耐えられる演技力を如何なく発揮できる実力を身に付けていた
夜のハイウェイで車内でたったひとりで
喜怒哀楽を表現する
たっぷりと彼の表情、声、ハンドルを握りながらシャツの袖を捲る仕草やそこから覗くセクシーな腕!♡を堪能できた

結婚生活や子供への愛情失敗の許されない仕事への重責
ただ、一度の過ちなど
様々な人生の岐路を一夜にして凝縮してみせる脚本も素晴らしかった

そのひとつひとつと真摯に向き合い
逃げる事なく誰のせいにもしない
投げつけられる理不尽な言動も
受け止め冷静に相手をとりなしていく
この男に好感をもってしまったのは
私だけだろうか

人生の過ちは誰でも犯すものだ
それが誰かを傷つける事もある
しかし、同時に本人も傷ついていると
彼の横顔を見つめて胸が詰まった
いつの間にか自分の過去と重ねていた
それは、
傑作の証
見てよかった 益々トム・ハーディへの
愛情が深まる
カテリーナ

カテリーナ