ふしみあい

コングレス未来学会議のふしみあいのレビュー・感想・評価

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)
3.7
アニメーションと実写の融合というよりは両者ともしっかりと尺を取って共存していた作品。
アニメーションパートから実写パートに戻るシーンが内容的にも画的にもすごかった。

ロビン・ライトがロビン・ライト役で物語は進んでいく。年老いていく生身の俳優はCGとしてスクリーンでの永遠の若さを手に入れられる。
次第に人々は倒錯し、夢を見ることに慣れ、幻影の狭間に生きるようになる。

化学薬品を吸うことで自分の生きたい世界で生きられるというのは、現代でもそう違わないのではないだろうか。匿名でどんな人物にもなれるSNS、VR、映画だって4dxや3Dなど、バーチャルの現実世界への進出というのは最近すごく感じる。

そんな意図はないかもしれないけれど、今作の静かな雰囲気と、ぐにゃぐにゃとした幻影のようなストーリー、画に、どこか他人事ではないような、それこそ現実との境が曖昧になるような物語だと感じた。

しかし反面、主人公のロビン・ライトのキャラがあまり好きではなかった。いやでもアイデアや雰囲気がめちゃくちゃ好みではある…。終わり方も少し投げやりになっている印象を受ける。