エソラゴト

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションのエソラゴトのレビュー・感想・評価

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このシリーズほど冒頭の掴みのインパクトの強さで作品自体の高揚感をダダ上がりさせてくれる作品は他にはない。

今作もご多分に漏れず、予告編でバンバンかかっていたあのシーンからいきなり幕開け。と同時にのっけからIMFメンバーが勢揃いし今作のそれぞれの立位置を示唆。ベンジーはイーサンと常に行動を共にし、ブラントは交渉等の事務的役割、ルーサーは後方支援に徹する…。シリーズ毎にそれぞれバラバラの出演だったメンバー達が、一同に会するこの冒頭のシーンだけでボルテージも一気に上がると同時に傑作の匂いもプンプン。

予告編のアクセル全開のアクションシーンから今迄通りの分かり易いスパイアクションエンターテインメントかと思いきや、裏読みや駆け引き満載の極上のスパイ心理戦ものだったとは意外や意外。それもそのはずで、監督は『ユージュアル・サスペクツ』脚本、『アウトロー』でトムとは2度目のタッグのクリストファー・マッカリー。

敵か味方か分からぬ謎の女性諜報員が文字通りキーウーマンとして暗躍し、無表情で冷酷無比な敵ボスの存在感もまた物語全体の緊張感を持続する役割を担っていた。

そして今作でIMFメンバーが語るセリフの中で特に強調されていたのは「友達」「ダチ」「仲間」ー。シリーズを重ねる毎にチームとしての結束力や絆を強め、終盤でラスボスを追い詰めた後に放たれるイーサンの力強い一言…これには全身が痺れた。

トム・クルーズも公開当時、御年53歳…。前作での新キャラ=ブラント役のジェレミー・レナーが今後イーサンの後継者として活躍するなんて噂も聞いたが、なかなかどうして今迄通りのジャッキー・チェン張りの命知らずなノースタントを見る限りその牙城は当分崩されそうもない…。