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キングスマンのタキのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.6
ゴールデンサークルを見る前に前作のおさらい。
キングスマンはどこの国にも属せず誰の干渉もうけない独立した国際的諜報機関。ランスロットが任務中に殺され欠員を補充することになりベテランエージェントガラハッドことハリー(コリン・ファース)はかつて自分の命を救ってくれた同僚の忘れ形見エグジーを後継者として推薦する。エグジーは数々の課題を乗り越えてゆく。一方ガラハッドはランスロットの後を受け環境問題に歪んだ考えをもち人類を半分にしようと目論むIT富豪のヴァレンタインの周辺を探ってゆくというのが主なストーリー。
まずハリーに会うまでのエピソードでエグジーが家庭環境には恵まれていないが身体能力が高く機転がきき母親と異父妹にとても優しい様子をテンポよく見せていき次のキングスマンになるための試練でどれほどの活躍ができるのかに期待をもたせていて次第に気分が盛り上がったところにブッこまれる隅々まで作り込まれたスパイ映画ならではの世界観がなんとも面白い。防弾スーツを作るテーラーなんかはジョン・ウィックでも出てきたけど、ガンブレラとかライター型手榴弾とか電流ビリビリ指輪とか時計型記憶消去装置とかペン型の毒薬時限スイッチとかナイフ内蔵の靴とかタクシー型のキングスマンカーとかいかにもキッチュになりそうなトンデモ小道具をスタイリッシュに仕上げていてこれがどういう風に使われるのか考えるだけでかなり楽しい。
キングスマンは昔のような荒唐無稽なスパイものがシリアス路線に傾いているため楽しいスパイ映画を作りたいということで制作されたらしい。そういえば最近のQ(007シリーズのガジェット担当)の作品も指紋認証付きの本人じゃないと撃てない銃とかリアルにありそうなものが主流だった。キングスマンのガジェットはダサカッコよくて見ても使ってても楽しそうなのがいい。
大爆笑しながらのバック走のカーチェイスや尋常じゃない数の大量殺人、任務で知り合った女性とアナルセックスと「楽しいスパイ映画」の上に致死量寸前の劇薬を振りまいていて、ただの古き良き007のオマージュというかパロディだけに留まらないエグ味がクセになる。イギリスの上流階級を強烈に皮肉っているのも痛快。
血を見ると吐いちゃうという自己申告が実は本当だったヒップホッパースタイルのIT富豪ヴァレンタインとべらぼうに強い切れ味抜群の義足の秘書兼殺し屋ガゼルとヴィランズも魅力的。あとマークハミルのカメオ出演もあって、ビクビクしてるやたらかわいいおじいちゃんだった。
コリン・ファースオジさんがとにかく無双でかっこいいところは声を大にして言いたい。タロン・エガートンはやんちゃな風貌と小柄でガッチリとした体躯に高級スーツのアンバランスが逆にセクシーに見える。グレイグボンドも歴代ボンドからみると1番小さいらしい。ナイスキャスティング。小柄な男性のセクシーさが世界中に広まってほしい。
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